"わたしのだいじなできごと"からの大どんでん返し

ガードが見事に打ち砕かれて、剥がれ落ち、ボロボロに崩れた姿を、見られたくなかった。
もうそこには、弱腰な泣き虫で甘ったれの、力尽きた姿しかなかった。
肩を回して、胸を張り平気な姿に変身しようとするけれど、変身しない
グッと奥歯を噛み締めて、笑顔にしようとするけど、笑えない
いつもの操作が使えない
どうしたらいいのかわからない

見守るなんて、そんなの足りなさ過ぎる
もっと、手助けしてほしいと叫ぶ

聞こえてきた声は
「今の自分に寄り添う」
ムリムリムリ
寄り添うって、冷たく感じる、距離があって、そばに居る感じが全然しない

応急処置はないけど
「変身しない自分をいたわる」
いたわるってなにぃー

次々声が聞こえてきた
「変身してもしなくてもいい」
「力入れるから尽きる!」
「ボロボロって思ってるかもしれないけど、強さが見える」

「マイナスには、いくらでも引っ張れる」

あ、コレだ!
「わたしのだいじなできごと~」の、細切れで繋がらない記憶の断片がピタッとヒットした。

マイナスに引っ張る
それが、わたしの立ち位置、そこから操作が始まりゲームを仕掛けにいく
そして、その位置にいる限り、わたしは混乱と迷路からぬけでることはない

わたしが生き生きするところは、ココじゃない

ボロボロに崩れた弱いわたしは、何かの誰かのせいにして、放り投げることはしなかった
いまのわたしがした、精一杯のことだった

この話まだまだ、続きそうです。
 

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